スクリプトがもたらす効果とは?
マーケティングプランと要求スキルを整理する
スクリプトはコールセンターにとってコミュニケーターのサポートツールというだけではありません。センター全体の運営に与える効果は計り知れません。
最近の高度なオペレーションでは、コミュニケーターに要求するスキルレベルも一様ではありません。このため、スクリプト作成と共に、コミュニケーターのスキル要件を整理し、センター全体の教育計画と連携することも重要です。
例えば、オペレーション計画と照合した結果、特定のコールを行うレベルのコミュニケーターに過不足があった場合、スクリプトのバージョン管理を利用して教育計画を立案・修正することができます。また一方で、スクリプトは、マーケティングプランを正確に反映するものです。
マーケティングプランとスクリプト、教育計画の連携手順は以下のように考えましょう。
1)マーケティングプランに沿って使用するスクリプトを整理する
2)コールごとの要求スキルを洗い出す
3)コールの難易度を整理し、レーティングする(=スクリプトベース)
4)要求スキルの達成度に沿ったキャリアパスを設計する
5)各段階で教育プランを策定する
特に重要なのは、要求スキルの洗い出しと達成度のチェックです。例えば、見込み客からの問い合わせ対応には、正確な商品知識と基本的なトークスキルが要求スキルの中心となります。 また、獲得型アウトバウンドでは、それらに加えて顧客の状態に合わせた提案ができるコンサルティング能力や、継続営業につなげるクロージングスキルも必要です。
モニタリングシートを活用して達成度をチェックする。
スキルの達成度をチェックするには、モニタリングシートの活用が有効です。モニタリングシート上に、洗い出した要求スキルに対応する項目を設け、コミュニケーターがどのレベルにあるかを把握します。こうしたモニタリングは、定期的に行うことが重要です。
さらに、モニタリングの評価項目に連動した基準を設けてキャリアパスを設計・連動すれば、全コミュニケーターのスキルレベル分布、従事可能なオペレーション(スクリプトベース)を完全に把握できます。従来、マーケティング施策とオペレーションは乖離しているケースが多く、スクリプトは単なるトーク台本と見なされがちでした。
最近では、スクリプトを工夫することでオペレーション目標の達成が必要なことは知られてきましたが、体系立ったスクリプト作成やオペレーション管理についてはまだ広く浸透しているとは言えないのです。
しかし、スクリプトは、使い方次第でマネジメントレベルへの貢献度が非常に高いツールになります。実践的なスクリプトを体系的に整備すれば、センター運営全般にわたって、様々な効果を発揮します。