10. 使いたくなるスクリプトにするには
スクリプトのフォーマット、バラバラではありませんか?
スクリプトはコミュニケーターの大切な道具です。使いたくなるスクリプトを目指しましょう。
(1)使いやすいスクリプトを目指してレイアウト調整
コミュニケーターが安心して使いたくなるスクリプトにするには、レイアウト調整も非常に重要です。以下はスクリプトのチェックリストです。
スクリプトのチェックリスト
会話の流れが上から下へ一貫して流れているか
矢印の方向に流れがあり、一貫性がある。矢印がまたがない。
各センテンスごとに横一列に揃っているか
コミュニケーターは現在の会話の進行状況を常に把握できる。
一つの罫線の枠内に内容が要領よく簡潔にまとめてあるか
サイズがコンパクトであるか
A4サイズ1~2ページ以内にまとめてある。
罫線が上手に使い分けられているか
ポイント部分や終了部分の罫線を使い分けている。
見やすいフォントを使用しているか(フォントの乱用をしていない)
ENDが複数箇所に点在していないか
多すぎると見づらいため、終了部分はなるべく一番下にまとめておく。
「漢字」をひらがなや話し言葉に置き換えているか
「先日○○の御案内を御送付致しましたが御覧頂けましたでしょうか?」
→先日、○○のご案内をお送りいたしましたが、ご覧いただけましたでしょうか?
「左様でございますか」→さようでございますか
「早速」→さっそく
「ご伝言ください」→お伝えください/おことづけください
「ご送付する」→お送りする/送らせていただく
「今ご使用の~」→今お使いの~
「縦組みであったり、横スタイルなど、見づらくないか
「専門用語や業界用語を使っていないか
(2) 資料のテンプレートやルールづくり
多くのセンターにおいて、「何らかの資料は用意している」といるかと思いますが、本当に現場ですぐ役立つツールが少ないのも事実です。どこが足りないのかというと、資料としての情報は充実しているものの、「それを見て、そのまましゃべれる」というレベルに至っていないのです。それでは、どこをどう直せば、使える資料になるのでしょう。
現在のツールを見直すにあたって、ぜひおすすめをしたいのが資料のテンプレートやルールづくりです。
それの対象はスクリプトだけではありません。コールの現場では、スーパーバイザーがコミュニケーターへの指導や教育目的で資料を作成しているケースがよくあります。その場合、それぞれの担当者が思い思いに手がけてしまうため、書式や内容は統一されていません。
Wordで作る人もいれば、PowerPointを使う人もいます。箇条書きでまとめる場合もあれば、「お客さまの真のニーズを探ろう!」などのメッセージやイラストが入っているものもあり、結果として人によってかなり違うものができあがります。
スーパーバイザー自身が周知すべき情報をコミュニケーターにどのように伝えようかと熟考をすることはとても良いことですが、センター全体を見渡すと、とりとめのない資料が点在することにつながります。
情報の深さや書き方などが統一されていない資料というのは、見づらいもので、結果として使われなくなってしまいます。
そうしたことにならないためには、イントラネットに「資料テンプレート」というフォルダーを作り、各種の雛形をおいておけばいいのです。そして、そのデータの中に資料作成にあたっての記載ルールをまとめておくのです。PowerPointなどは下敷きとなるマスターを作ることになりますが、まだアプリケーションに扱いなれていない担当者だと、その手間も省けます。
(3) 見やすさ、使いやすさを重視
同じ商品の説明文でも書き方を少し変えるだけで、ぐっと見やすくなるということもあります。
下記は、その具体イメージです。
見やすさ、使いやすさをもとに修正
Before
【説明文】
火災、落雷、雹(ひょう)災、雪災水ぬれ盗難水災破損、汚損等すまいやライフスタイルに応じた契約プランをご用意しました。お客さまのニーズに合わせてオプションの特約も選べます。建物が全焼・全壊時には、建物保険金額を全額お支払いします。
After
【説明文】
●火災/落雷/雹(ひょう)災/雪災/水ぬれ/盗難/水災破損/汚損等、すまいやライフスタイルに応じた契約プランをご用意しました。
●お客さまのニーズに合わせてオプションの特約も選べます。
●建物が全焼・全壊時には、建物保険金額を全額お支払いします。
(4) 使うソフトも選ぶ
また、細かいことですが、スクリプトを作る際、EXCELはあまりおすすめしません。EXCELで作成すると、右にも下にもどんどんと広げられますし、印刷する際も印刷範囲設定をすれば、ボリュームが多くでも一枚に収めることができます。しかし、EXCELで作られたスクリプトはそれぞれ縮小率が異なり、また字がとても小さく見づらいものになってしまう場合が多いものです。
体裁よく1枚に情報をまとめるには手間も時間もかかりますが、大切なことはコミュニケーターが信頼することができ、かつ使いやすいと思ってもらえる資料づくりが必要です。