8.「会話づくり」のプロセス
スクリプトのブラッシュアップ、どうしていますか?
スクリプトをブラッシュアップする際は、繰り返しのロールプレイングが有効です。お客さまの気持ちになって、耳できいて、感じることが大切です。
(1) 「会話づくり」の手順
前述「2.スクリプトの作成手順」の会話づくりの手順について解説をします。ここでは、以下の3段階で検討を進めます。
<会話づくりのステップ>
①会話の流れを決める
②話し言葉に置き換える
③見やすい形に整える
例えば、アウトバウンドの場合、スクリプト上で特に鍵を握るのが「電話の用件」と「勧める商品のメリット」の2点です。具体的な作成方法は、1つのトークに1つのボックスを描いていき、オペレーション設計書に沿って「○○の説明会のご案内」「新製品の○○は当社従来品と比較して30%も割安」など書き込んでいきましょう。
この際、メリットは顧客の視点で説明し、顧客の反応により派生した分岐のボックスも書いていきます。もちろん、本題に入る前の構成も重要です。獲得型アウトバウンドは顧客の都合を考慮しない突然の電話であることが多いため顧客の拒否感が強く、本題に入るまで会話を継続させること自体が難しいのです。
自己紹介や在宅確認または本人確認などの後、すぐに本題に入り顧客の心をつかまなければなりません。うまくいかないアウトバウンドはたいてい、最初の段階でメリットをうまく伝えられず「そういうのは要らない」と断られてしまいます。
「会話の流れの決定」のプロセスは、いくつものパターンが考えられるので、ホワイトボードに書きながらが検討するのがおすすめです。
(2) 耳だけで聞いてわかるようにする
次に、それぞれのボックスを話し言葉に置き換えます。ポイントになるのは、「顧客にとって」理解しやすい言葉を使うことです。当然のことですが、顧客は商品に関する知識が高くないことを意識しましょう。また、文字でみて理解しやすい言葉でも、聞いただけではピンとこないものがたくさんあります。
例えば、生命保険に「解約返戻金」という用語がありますが、文字を見れば何のことか理解できるでしょう。ただし、耳だけで聞いた場合はそうはいきません。「かいやくへんれいきん(会社によっては、かいやくはらいもどしきん)」と言われた瞬間、「解約のなにかのお金」までで理解が滞ってしまうかもしれません。
また、伝えたいことを短いトークにいかに凝縮できるかが重要になります。このプロセスでは、作成する複数人で読み合わせをして、耳で聞きながら作成するのが得策です。
最後に、見やすいレイアウトに整理して、スクリプトはいったん仮完成となります。最終的なレイアウト調整は後で再度行うため、ここでは仮に作成したスクリプトをざっとまとめるといった作業で構いません。
方法です。こうしたロールプレイングの結果、問題点を洗い出し、ブラッシュアップをします。ロールプレイングによる検証を何度か繰り返し、最終のスクリプトを固めていきます。
(3)繰り返しの ロールプレイングでブラッシュアップ!
スクリプト作成の過程では、必ず繰り返しのロールプレイングを行います。パソコンの前に座ってスクリプトを書いていると、どうしても伝えたいことを絞り込めず長かったり、わかりづらくなりがちです。そのため、「耳」で聞いてテンポがよくわかりやすいかをチェックするのです。
ロールプレイングは、お客さまの状態を想定→お客さま役とコミュニケーター役に別れてスクリプトに沿ったロールプレイングを実施。その際、お客さま役はスクリプトを見ずに会話を進める→お客さま側は客観的に感想・修正点などを指摘/コミュニケーター役は実際に使い、使いづらい箇所・修正案などを提示、という流れです。
スクリプト作成者を含め、実際にコールを実施する人間がロールプレイングを行う場合、商品知識やセンター内の事情を理解していることが邪魔をして、「客観的な立場」で指摘することが困難になる場合があります。そのため、センター業務と直接関係のない部署のスタッフなどに協力してもらうというのもいい方法です。こうしたロールプレイングの結果、問題点を洗い出し、ブラッシュアップをします。ロールプレイングによる検証を何度か繰り返し、最終のスクリプトを固めていきます。