5. 現在のスクリプトは何点ですか?
現在のスクリプトは何点ですか?
スクリプトに課題があると認識していてもなかなか修正できない、そんなことはありませんか。ここでは、スクリプトの質について考えてみたいと思います。
(1)現在のスクリプトの精度は何点でしょうか?
一定規模のコールセンターにおいて、スクリプトを作っていないというところは恐らく少数派でしょう。
センター運営に必要な基本のツールとして、そのほかにもFAQ、業務知識や手続きに関するマニュアルなどが作成されていると思います。
それらに点数をつけるとすれば、いま何点ぐらいでしょうか?
当社boosterでは、コールセンターのコンサルティングをスタートさせる際、現在の運営実態を把握するために、まずは現状調査を行います。具体的には、センター視察に始まり、担当者ヒアリング、各種資料の確認、ランダムモニタリングなどを行います。
スクリプトなどの各種ツールの確認では、いずれのセンターでも、何らかの資料を用意しているところがほとんどです。ただし、精度の高い資料を準備しているセンターとなると、全体の5〜6割程度でしょうか。
各種資料が存在するものの、日付がとても古いものや用途が重複していそうな文書が複数ある、あるいは使いやすそうなスクリプトが数枚あるものの、その他に必要と思われる資料がほとんど存在しないといったケースもあります。
(2)スクリプトの精度がどれくらい影響するのか?
コールセンターで働くコミュニケーター職のほとんどはアルバイトや派遣社員の方々です。そのうえ、ここ数年、この業界は慢性的な人材不足に悩まされています。
また、離職率も高く、いざ不足分を補うために募集をかけても、なかなか人が集まらない状況が続いています。新人の研修期間中に辞めてしまうこともあり、あらかじめ一定数の退職が発生することを想定しているセンターも少なくありません。
そういった厳しい環境下において、安定的なセンター運営をするためには、いかに短時間に人を育てられるかが鍵となってきます。
また、早期に辞めてしまう人の退職理由として「業務知識が難しくて自信がない」という声もよく聞かれますが、そうしたことを防ぐためには、知識の習得をスムーズに手助けするツールの存在が重要となります。
また、下図のように、スクリプトやFAQなどのツールを使ってお客さまに話す会話の総量を考えると、影響は実に大きいものです。
(3)ツールを整備する効果
前の図で示したように、スクリプトを含めたツールの精度が低いときのお客さまへの悪影響は甚大です。多くの人がわかりづらい説明を聞くことになるのか、またその逆でわかりやすい説明をお客さまにお届けできるかといった差を生み出します。
また、ほかにも、ツールの精度をあげることの効果について考えてみると、以下の点が挙げられます。
- お客さまへ返答するまでの時間が短くなり、会話がスムーズになる
- 無駄な説明やお客さまとの問答が減り、通話時間の短縮化につながる場合もある
- 会話の内容がわかりやすく、魅力的になる
- セールスセンターでは、営業成績があがる
- 標準化により担当者ごとの品質のばらつきが抑えられる
- 人材育成において教育時間が短くなり、成長レベルもアップする
- コミュニケーターが安心して働けるので、ES(従業員満足度)があがる
- ESが安定するため、離職率低下にも寄与する
このように、ツール整備の効果は大変大きいものです。