6. コールの「基本設計書」を作ってみよう!
いきなりスクリプトを書いていませんか?
スクリプトは事前の準備なく書いてはいけません。「だれに、どんな説明を、どのようなタイミングで行うのか」を設計するプロセスが大事です。ここでは、コールの基本設計について考えていきましょう。
(1)コールの「基本設計書」とは
お客さまとの優れたコミュニケーションを作るには、もしくはセールスの成果を追求するには、一連のマーケティングプロセス(商品販売の一連の流れ)を踏まえた上で、コール基本設計書を作成しましょう。コール基本設計書は「どのようなコールにするか」を戦略を整理したもので、いわばオペレーションにおける設計図です。コール種別、コール目的、ターゲット像、ターゲットにとっての商品やサービスのメリット、ターゲットにとっての阻害要因(購入に至らない理由)、スクリプト概要、検証ポイント、目標値などを決めていきます。
(2)コールをデザインする!
会話をする対象は自社の顧客なので、あらためて設定することはないと思われがちです。しかし、一口に“お客さま”とは言え、同一商品であったとしても、魅力を感じる訴求ポイントがそれぞれ異なるので、話す内容や話し方などを変えることがあります。逆に変えなければ、その商品の本当の良さをわかってもらえないことも多いのです。性別、年齢、職業、家族構成、あるいはコンタクト履歴などで、複数のグループに分け、きめ細かいコミュニケーションをお勧めします。こうして、ターゲットが設定されたら、今度はそれぞれのグループのお客さまからみた「商品メリット」を検討します。実際には、初段階でこれらターゲットとスクリプトを試しながら進行すると良いでしょう。
(3)コールの役割と範囲とは
コールセンターにおける各種コールは、一連のマーケティングプロセスやセールスプロセスの中で、どんな役割をするのか。とくに、告知マスメディア、DM、チラシ、ネット、あるいは営業マンとの連携の中で、どのような機能で実施するのか、を明確に把握しなければなりません。つまり、広告や販促などの他部署との連携を密接にする必要があります。その中で、コールはお問い合わせを受ける、要望やニーズを引き出す、商品のお勧めをする、最終的に契約などのクロージングを行うなどの役割と範囲を明確にしておきましょう。
(4)コールフローをつくる!
コールフローは「いつ」「何のために」電話を活用するのかを規定するためのものです。テレビや新聞、雑誌などのマスメディア、またはDMやネットで告知すれば、お問い合わせや注文などのレスポンス(反応)があります。それらを電話(インバウンド)で受けるのか、それ以外でも応対するのか。既存客へのDMについては、送付後に開封を促進するアウトバウンドはいつごろ実施するかとか、資料請求・サンプル請求した人へのフォローコールをどんなタイミングにするのかなど、時系列にコールフローを作成します。こうしたコールフローを作成する理由は、コールのタイミングを逃さないことを重視しているからです。