「営業実績」と「応対品質」双方の引き上げに成功。
通信事業者 A社さま
- 業界
- 通信・IT
- センター概要
- 法人からの問い合わせを担当するインバウンド機能と、既取引先法人に営業活動を行うアウトバウンド機能を合わせ持つコールセンター。
- 実施サービス
背景・課題
質の高いアウトソーサー管理を必要としていた。
本事例でご紹介する法人向けコンタクトセンターは、インバウンド、アウトバウンドともにセンター規模が大きく、運営はコールセンター運営代行会社(以下、アウトソーサー)数社に委託していました。今回のプロジェクトで目標としたのは、応対品質の向上および実績のアップです。ここでの実績とは、 営業先のキーマンとなる担当者の把握や新規提案機会の獲得でした。
依頼主である通信事業者さまは、アウトソーサーに業務委託をしていたため、明確な課題がありながら、その改善に直接関与することができませんでした。具体的な課題は以下の通りでした。
・アウトソーサーごとに会話の構成が違うため、全体として統一感がない
・各社間での競争意識が高く、実績を挙げることに注力しすぎる傾向があった
・各社のなかでも、コミュニケーターごとの応対品質にばらつきが大きい
・特に応対品質の低い担当者おいて、ご指摘になるケースも見られた
・各社を管理する仕組みが整備されていない
取り組み
【その①】 属人的な応対を解消するため、営業フローをマニュアル化して整備。
プロジェクトは2つのステップに分けて実施しました。
1つ目のステップで着手したのは、コミュニケーションの内容をマニュアル化することでした。アウトバウンドは既取引先法人を対象とした営業活動であり、目標値もはっきり示されているため、インバウンドの問合せ対応と比較すると難易度の高い業務でした。
また、応対は、コミュニーターによって提案商品や説明にばらつきがあり、属人的な対応が課題となっていました。
そこで、セールス活動を、「営業先のキーマン探し」→「ヒアリングと商品提案」→「見積り提示」の3段階に分け、各段階ごとに詳細なスクリプトを用意しました。
【その②】 アウトソーサーに共通のモニタリング指標を作成。
2つ目のステップでは、応対品質の向上を目的として、アウトソーサー各社共通の指針となるモニタリング指標の作成に着手しました。モニタリング指標には、主に以下の2つを盛り込みました。
・コミュニケーターの弱点を強化するための項目
・インバウンド、アウトバウンドそれぞれに強化したい項目
弱点に関しては、プロジェクト開始前に実施したモニタリング調査で、「会話の主体がコミュニケーターになっており、お客さまの反応をしっかりみれていない」、「話すスピードが早く、事務的でせわしない印象がある」などが明らかになっていました。
また、強化したいスキルについては、法人営業に求められるヒアリング能力や、お客さまのお話の受け止め方、会話の発展のさせ方などを取り上げ、モニタリングの項目としました。
【その③】 長期にわたるモニタリングチェック。
運用面では、アウトソーサーごとに運営方法やモニタリング項目の解釈が変わらないよう、「モニタリング運用マニュアル」を作成しました。その後、研修形式で全コミュニケーターに評価基準の内容を周知徹底し、理解を得るように努めました。
また、運用開始後は約一年間に渡って、弊社によるモニタリング調査を隔月で実施し、その後の変化を継続してウォッチしました。
成果
「営業実績」と「応対品質」の双方のアップに成功。
最終的には全てのアウトソーサーのコミュニケーターごとの応対のばらつきが解消され、統一感をもったコミュニケーションが可能になりました。
また、詳細なスクリプトに基づいたアプローチにより、適切なセールスで営業実績もアップさせることができました。
さらに、きめ細かいモニタリングを通じて、応対品質も大幅に改善しました。以前の電話応対の雰囲気は、機械的でどこか冷たい印象でしたが、1年後の応対はそれらを全く感じさせず、日頃の感謝を丁寧に示しつつ、気持ちのよい会話ができるようにいなっていました。担当者の「感じのよさ」はとても重要で、BtoBでも、BtoCでも共通であることが分かった事例でした。
ご担当者さまの声
石橋さんには弊社グループのさまざまな部門でお世話になっており、今回は別部門の担当者からの紹介でお声をかけさせていただきました。施策の提案をいただいた際は、営業実績と応対品質の双方をバランスよく磨いていただけそうなプランに魅力を感じました。
関係者も多く、息の長いプロジェクトでしたが、常にポジティブかつ、現場のことにもご配慮いただきながら進めてくださり、感謝しています。