独自の「応対品質テスト」で担当者のデビューを判定。
生命保険会社 C社さま
- 業界
- 金融・保険
- センター概要
- 担当営業不在のご契約者さま向けアフターフォローを目的として新たに発足された部門。
背景・課題
新設部門の人材育成と高いアポイント獲得率を目指して。
本事例でご紹介する生命保険会社さまでは、ご契約者さまへのアフターフォローの一環として、年一回の契約内容の確認を行っています。具体的な活動としては、お客さまを訪問し、現在の契約内容や給付金に漏れがないかなどを確認します。
その中で、さまざまな理由から、営業担当者が不在になってしまったお客さまへの対応は、本社が一括で管理をしていました。
今回の弊社へのご相談事項は、営業担当不在のお客様に対するアフターフォローを目的として新設された専門部門に対し、以下の2点でした。
・新規採用した担当者にアウトバウンドのイロハを1から教える
・アポイントの高い獲得率を確保する
取り組み
【その①】 訪問アポイントを目的としたアウトバウンドのスクリプトを作成。
最初に手掛けたのは、スクリプトの作成でした。保険会社からかかってきた電話は、たとえご契約のあるお客さまでもあまり反応はよくありません。そのため、クライアントご担当者さまと何度も打ち合わせをし、なるべく話を聞いてもらえ、その上で訪問の約束をいただけるスクリプトを作成しました。
【その②】 「アウトバウンド研修」で心構えからロールプレイングまで。
その次に実施したのが、2日間の「アウトバウンド研修」です。アフターフォローするご担当者さまは比較的若く、スマホ世代ということもあって、電話への苦手意識が強いようでした。加えて、アウトバウンドとなると、なおさら難しくなるため、まずは不安を取り除く「心構え」から学習をスタートさせました。
その後、アウトバウンドの特徴や業務構造の理解などの概念学習を経て、最終的にはスクリプトを使いこなせるよう繰り返しのロールプレイングを実施しました。
【その③】 「応対品質テスト」をカスタマイズして、判定試験を実施。
入社後1ヶ月間の研修期間を経て、最終的に現場に配属される前にデビュー判定試験が行われました。
試験の範囲は幅広く、一般常識から、保険商品や各種手続きに関する知識、アウトバウンドを中心とした電話応対における「応対品質テスト」などです。
「応対品質テスト」とは私たちが独自に開発したもので、弊社がお客さま役となり、そこに担当者が電話をするロールプレイングと品質評価を組み合わせたプログラムです。本事例では、このプログラムを企業さまの実情に合わせてカスタマイズしました。
会話のなかには、お客さまから訪問を断られたり、契約している保険についての質問を受けたりといった、生命保険会社で見られるさまざまなシーンが盛り込まれています。
「応対品質テスト」のカスタマイズプロセス
・センターの実情をしっかりヒアリング
・デビューする際に必要となる電話応対(アウトバウンド)の要素を棚卸し
・試験制度と評価基準の策定
・テストの題材づくり
【その④】デビュー前の最終チェック。
ロールプレイング後の品質評価では、「全体の印象」、「スキル」、「会話のプロセスごとの精度」など約20項目で採点し、最終的な得点率で合否判定を行います。
試験対策として、担当者には30種類ほどのロールプレイングの題材と品質評価の項目を事前に提示し、反復練習をすることで精度を高められるようにしました。合格できなかった担当者には、弊社が個別にフォローし、再テストに向けてサポートを行いました。
成果
7年間で、約450名のデビューに携わる。
本施策は約7年間に渡って行われ、その間約450名の担当者をデビューさせることができました。初期の研修生のうち約10名ほどが管理者となり、「アウトバウンド研修」や「応対品質テスト」をサポートするまで成長をとげ、その後この業務を内製化することとなり、弊社の業務は終了となりました。
ご担当者さまの声
石橋さんには、部門の立ち上げ時から大変お世話になりました。7年間という長い期間でしたが、その間も常に内容をブラッシュアップしてくださり、進化を続けられた業務だと感じています。
また、弊社の社内異動により統括責任者が定期的に変更となりましたが、その際もスムーズに引き継ぎができるようにご配慮をいただけました。ここまで多くの担当者を育てることができ、かつそれぞれが仕事の手応えを実感できるまでに成長したことを誇りに感じています。